書誌
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2002−51598(P2002−51598A)
(43)【公開日】平成14年2月15日(2002.2.15)
(54)【発明の名称】下水道事業支援システム
(51)【国際特許分類第7版】
   0000  0/00                 
【FI】
   0000  0/00                 
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2000−231502(P2000−231502)
(22)【出願日】平成12年7月31日(2000.7.31)
(71)【出願人】
【識別番号】000236610
【氏名又は名称】不動建設株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区平野町四丁目2番16号
(71)【出願人】
【識別番号】500354528
【氏名又は名称】日本水工設計株式会社
【住所又は居所】東京都中央区勝どき3丁目12番1号
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
(71)【出願人】
【識別番号】500354539
【氏名又は名称】有限会社環境資源研究所
【住所又は居所】神奈川県相模原市相模大野9丁目9番11号
(72)【発明者】
【氏名】原田 邦雄
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目2番1号 不動建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 忠雄
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目2番1号 不動建設株式会社内
(72)【発明者】
【氏名】津田 康夫
【住所又は居所】東京都台東区台東1丁目2番1号 不動建設株式会社内
(74)【代理人】
【識別番号】100068342
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 保男 (外1名)

要約
(57)【要約】
【課題】 公共下水道事業を効率的に運営する。
【解決手段】 自治体による公共下水道事業の運営を支援する下水道事業支援システムであって、自治体からの公共下水道事業プロジェクト情報の受信に応じて、公共下水道事業に係る下水道施設の設置、維持、管理に要する費用を見積もる手段と、見積もられた費用の一部の出資および/又は融資を電子ネットワークを介して公募する手段とを具備し、出資および/又は融資された費用を利用して自治体に代わって公共下水道事業を運営する。




請求の範囲
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自治体による公共下水道事業の運営を支援する下水道事業支援システムであって、自治体からの公共下水道事業プロジェクトの提案に応じて、当該公共下水道事業に係る下水道施設の設置、維持、管理に要する費用を見積もる手段と、見積もられた前記費用の一部の出資および/又は融資を募集する手段とを具備し、出資および/又は融資された費用を利用して前記自治体に代わって前記公共下水道事業を運営することを特徴とする下水道事業支援システム。
【請求項2】 自治体による公共下水道事業の運営を支援する下水道事業支援システムであって、自治体からの公共下水道事業プロジェクト情報の受信に応じて、当該公共下水道事業に係る下水道施設の設置、維持、管理に要する費用を見積もる手段と、見積もられた前記費用の一部の出資および/又は融資を電子ネットワークを介して公募する手段とを具備し、出資および/又は融資された費用を利用して前記自治体に代わって前記公共下水道事業を運営することを特徴とする下水道事業支援システム。
【請求項3】 前記費用の出資先に対して配当を支払うことを特徴とする請求項2に記載の下水道事業支援システム。
【請求項4】 前記下水道施設の設置作業はユニット工法を利用して行うことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の下水道事業支援システム。
【請求項5】 前記下水道施設を設置する際に、管渠空間内若しくは管渠施設と併設して、光ファイバネットワークを構築することを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4に記載の下水道事業支援システム。

詳細な説明
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水道施設の設置、維持、管理といった自治体による一連の公共下水道事業の運営を支援する下水道事業支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、公共下水道の設置、維持、管理、下水処理後の放流水の水質管理等、一連の公共下水道事業は、下水道法に基づき、各市町村の自治体組織によって全て運営されている。一方、公共下水道事業に要する資金は、建設省が補助金としてその半分を負担し、残りの半分は自治体組織自体が負担している。
【0003】また、上下水道の使用量は、自治体職員又は自治体から委託された者が、下水道の利用者の各建築物を訪問し、建築物に設置されているメータを目視することにより、管理している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に、自治体組織は、数十億から数百億円にも達する資金を速やかに調達することが困難であるために、下水道敷設工事の進捗状況は極めて悪く、下水道施設の建設工事が完了し、下水道施設によってもたらされる効果を住民が得るまでに非常に多くの時間を要する。
【0005】また、現在、上下水道の使用量等の管理は目視により行われているために、間違いが生じる可能性がある上に、非常に多くの労力および時間を要し、効率が悪い。
【0006】本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、下水道施設の設置までに要する時間を大幅に削減し、公共下水道事業をより効率的に運営することを可能にする技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の課題を解決するために、従来まで自治体組織が自らの手で調達していた資金の一部を募集し、募集により得られた資金を利用して下水道施設の設置、維持、管理を自治体組織に代わって行うことにより、下水道施設の設置までに要する時間を大幅に削減し、公共下水道事業をより効率的に運営することが可能になるという考えに至り、以下の特徴を備えた技術的思想を発案するに至った。
【0008】本発明の特徴は、自治体による公共下水道事業の運営を支援する下水道事業支援システムであって、自治体からの公共下水道事業プロジェクト情報の受信に応じて、公共下水道事業に係る下水道施設の設置、維持、管理に要する費用を見積もる手段と、見積もられた費用の一部の出資および/又は融資を電子ネットワークを介して公募する手段とを具備し、出資および/又は融資された費用を利用して自治体に代わって公共下水道事業を運営する下水道事業支援システムであることにある。
【0009】この下水道事業支援システムによれば、公共下水道事業に要する資金を速やかに調達することができるので、下水道施設の設置までに要する時間を大幅に削減し、より効率的な公共下水道事業を実現することができる。
【0010】ここで、費用の出資先に対して配当を支払うことが望ましく、この構成によれば、出資に対して大きなインセンシティブを与えることができるので、費用の調達をより速やか且つ容易に行うことができる。
【0011】また、下水道施設の設置作業はユニット工法を利用して行うことが望ましく、これにより、下水道施設の設置作業に要する工期を大幅に短縮し、下水道施設の設置までに要する時間を削減することができる。また、需要に応じた下水道施設を効率的に建設することができる。
【0012】さらに、下水道施設の管渠空間内若しくは管渠施設と併設して、光ファイバネットワークを構築することが望ましい。この光ファイバネットワークによれば、上下水道使用量の把握、使用料金の算定、徴収を情報処理技術(Information Technology、いわゆるIT技術)を利用して行うことが可能となり、各利用者による下水道の使用量を正確に把握し、使用量の把握に要するの労力および時間を大幅に削減することができる。
【0013】なお、電子ネットワークとしては、電気通信技術を利用した通信網全般を利用することが望ましく、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)をベースとしたインターネットシステム、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、光ファイバ通信、ケーブル通信、衛星通信、移動体通信等の利用が考えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図3を参照して、上記の特徴を具現化した本発明の一実施形態に係る下水道事業支援システムの構成およびその動作について詳しく説明する。
【0015】(下水道事業支援システムの構成)本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムは、図1に示すように、下水道事業支援装置が、自治体組織からの下水道事業プロジェクト情報の受信に応じて、下水道事業に要する資金(費用)の一部を電子ネットワークを利用した公募により募る。そして、公募により得られた資金を利用して下水道施設の設置、維持、管理を自治体組織に代わって民間組織で行うことを特徴とする。なお、ここでは下水道事業に要する資金の一部のみを公募による募ることとしたが、これは国からの補助金があるものとして考えたためであり、仮にこうした補助金がない場合には、当然のことながら、資金の全てを公募による募ることは勿論のことである。
【0016】下水道事業支援システム10は、具体的には、図2に示すように、下水道施設を利用する利用者(住民)11、自治体組織が運営する公共下水道管理機関12、銀行などの金融機関13、下水道事業支援装置14、下水道事業に係わる費用を出資する出資者15、下水道事業支援装置14からの指示にしたがって、自治体組織に代わり下水道事業の運営、保守および管理を行う民間の運営会社16、下水道事業支援装置14からの指示にしたがって下水道施設を建設する設備建設会社および機器納入会社17から構成され、これら構成要素は互いに電子ネットワークを介して接続されている。
【0017】なお、ここでいう電子ネットワークは、電気通信技術を利用した通信網全般を意味し、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(InternetProtocol)をベースとしたインターネットシステム、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、光ファイバ通信、ケーブル通信、衛星通信、移動体通信等の利用が考えられる。
【0018】一方、下水道事業支援装置14は、図3(a)に示すように、下水道事業プロジェクト情報を参照して、下水道施設の建設費用、保守管理費用等といった公共下水道事業に必要とされる費用を見積る費用見積処理部14a、費用見積処理部14aにより見積もられた費用の一部を電子ネットワークを利用して公募し、費用の一部を出資(又は融資)により調達する費用公募処理部14b、公共下水道事業から得られた利潤を配当(又は利息)として出資者(又は融資者)に対して配分する配当支払処理部14cを備える。
【0019】(下水道事業支援システムの動作)上述した本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムは、自治体組織から下水道事業プロジェクトの提案を受領するに応じて、以下のように動作を開始する。
【0020】(1)自治体組織からの下水道事業プロジェクトの提案に応じて、費用見積処理部14aが、建設する下水道施設の設置に要する費用および施設の維持・管理に要する費用を見積もる。
【0021】(2)費用公募処理部14bが、費用見積処理部14bによって見積もられた費用の一部を電子ネットワークを利用した公募によって調達する。
【0022】なお、資金の調達は金融機関13から融資によって行っても良い。
【0023】(3)費用の調達が完了すると、下水道事業支援装置14は、設備建設会社・機器納入会社17に対して下水道施設の建設費用を支払い、設備建設会社・機器納入会社17は、下水道事業支援装置14からの建設費用の支払いに応じて、下水道施設を建設する。また、この時同時に、公共下水道管理機関12は下水道事業支援装置14に対して建設費用を支払う。
【0024】なお、下水道施設の建設作業は、例えば図3(b)に示すように、基礎コンクリート30上にプレキャスト(PCa)部材31単位で施設を建設するユニット工法を利用して行うことが望ましく、この工法によれば、建設および増築作業が容易となるので、下水道施設の設置までに要する時間を大幅に削減することが可能となる。また、需要に応じた下水道施設を効率的に建設することもできる。
【0025】また、下水道施設の管渠空間内若しくは管渠施設と併設して、地下構造内に光ファイバネットワークを構築するようにしても良い。この構成によれば、従来までは人手で行っていた上下水道使用量の把握、使用料金の算定、徴収等の作業を、情報処理技術を利用して行うことが可能となるので、各利用者による下水道の使用量を正確に把握し、使用量の把握に要するの労力および時間を大幅に削減することができるのである。
【0026】(4)下水道施設の建設が完了すると、下水道事業支援装置14は、運営会社16に対して下水道事業の運営費用を支払い、運営会社16は、下水道事業支援装置14からの運営費用の支払いに応じて、自治体組織に代わって下水道事業の運営、保守および管理を行い、下水処理後の下水を公共下水道管理機関12に対して引き渡す。また、この時同時に、公共下水道管理機関12は、下水道事業支援装置14に対して下水処理代金を支払う。
【0027】(5)下水道事業支援装置14内の配当支払部14cが、下水道事業から得られた利潤を、費用を出資した出資者15に対して配当として支払う。
【0028】なお、金融機関13から資金を調達した際には、下水道事業から得られた利潤を利息として金融機関13に対して支払うものとする。
【0029】(実施形態により得られる効果)以上述べてきたように、本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムによれば、従来まで自治体組織が自らの手で調達していた資金の一部を電子ネットワークを利用した公募により募り、公募により得られた資金を用いて下水道施設の設置、維持、管理を自治体組織に代わって民間で行うので、下水道施設の設置までに要する時間を大幅に削減し、公共下水道事業をより効率的に運営することが可能となる。
【0030】また、本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムによれば、下水道施設の整備によって水環境が改善されるので、観光事業等、新規事業を創出し、付加的な利潤を創出することが可能となる。
【0031】さらに、本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムにおいて、下水道管渠工事の際に、光ファイバ、電力線等の電線類を地中に併設することにより、市街地の整備、町並みの美化、交通障害の除去等の様々な効果を実現することができる。また、加えて、電力料金、電話料金、インターネット使用料金、上下水道料金等の自動検針、自動使用明細通知、自動支払通知および自動引き落とし支払処理といった、従来までは人手で行っていた数多くの作業を情報処理技術を利用して行い、高効率化を図ることが可能となる。
【0032】このように、本発明はここでは記載していない様々実施の形態等を包含するということは十分に理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ限定されるものでなければならない。
【0033】
【発明の効果】本発明の下水道事業支援システムによれば、下水道施設の設置までに要する時間を大幅に削減し、公共下水道事業をより効率的に運営することが可能となる。

図の説明
【図面の簡単な説明】
図1】本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る下水道事業支援システムの構成および動作を示す模式図である。
図3】本発明の実施形態に係る下水道事業支援装置の構成およびユニット工法を説明するための図である。
【符号の説明】
10 下水道事業支援システム
11 利用者
12 公共下水道管理機関(市町村)
13 金融機関
14 下水道事業支援装置
14a 費用見積処理部
14b 費用公募処理部
14c 配当支払処理部
15 出資者
16 運営会社
17 設備建設会社・機器納入会社
30 基礎コンクリート
31 PCa部材

図面
図1


図2


図3